『デススト』クリアしました。
小島秀夫最新作『DEATH STRANDING』クリアしました、2週間くらい前に。
熱が冷めないうちにこのゲームの面白さを伝えたいということで、なるべく小島補正(小島監督のゲームは間違いなく面白いんだ!という先入観)抜きで感想を書いていきます。(ネタバレ無し)
・『DEATH STRANDING』って?
さっくりまとめると「荒廃した世界の配達人となり物資を運ぶゲーム」です。
主人公であるサム・ポーター・ブリッジズの目的は、「デス・ストランディング」と呼ばれる現象により、かつての文明が崩壊し孤立することになった人々に物資を届け、「カイラル通信」と呼ばれるネットワークをつなぎ、以前は当たり前にあった“つながり”を取り戻すことにある。
・クリアしてみての感想
面白かったです。小島補正抜きで。
ただこの「面白さ」の種類が珍しかった、FPSや格闘ゲーム等の対人ゲームの「面白さ」とは勿論違っていて、RPGやシュミレーションゲーム等のソロでコツコツ作業ゲームの「面白さ」ともまた違うものだった。
この独特の「面白さ」を言葉にするのは難しいが、無理矢理言語化するならば、ゲームを進めていくうちに感じてくる『プレイヤー自身=ゲームの主人公(サム)』感。
他のゲームに比べてデスストの没入感はハンパじゃなかった。最初は自分がサムになりきってサムを操作するが、ゲームの進行度が進むにつれ自分とサムの境界線が曖昧になってくる。
サムの為にやっていた事が、自分の為にやるようになる。サムの体験は、自分の体験になってくる。
オタク何言ってんだって感じだが、デススト既プレイの人には何となく伝わるんじゃないだろうか。デスストをプレイしていない人に、この感覚をうまく伝えられないのはもどかしい。(だからちょっとでも気になってるならプレイしてくれ)
・不自由さが生み出す没入感
デスストの世界はインフラが整備されていないので、配送経路に山があれば頑張って越えるか迂回しなければならないし、谷や川があれば橋をかけなければならない。
ようやく手に入ったバイクに乗って配達をしようとするも、道が岩肌地帯で泣く泣くバイクを降りて配達なんて事がしょっちゅう起きるので、基本配達は徒歩で行うことになる。
徒歩での配達はとても大変で、配達スピードは遅いし、道中で荷物を傷つけないように安全な道を選ぶ必要がある。
そして荷物を手に持つには、ずっとボタンを押しながら配達しなければならない。(右手ならR2,左手ならL2)サムが転ばないように踏ん張ってバランスをとる操作もR2L2で行う。この不自由な操作が荷物を運んでる感をプレイヤーにめちゃくちゃ感じさせてくれる。
だから長距離の配達が終わった時にはサムもプレイヤー自身もクタクタになる(マジで疲れる)。サムが休憩すると同時にプレイヤーも休憩する。と言った感じに没入感を増してくれる。
・他者との繋がり
サムは物資を運ぶと同時に配達先で『カイラル通信』というものを接続し、インフラの回復、アメリカの再建を進めるというのがもう一つの目的としてある。
この『カイラル通信』を拠点に繋げると、その拠点一帯に他プレイヤーが建てた建造物(はしご、橋、発電機、看板…など)が自分の世界に現れる(同期される)ようになる。
とても便利な位置に建てられた橋などを利用できるようになるので、『カイラル通信』を繋ぐ事はサムにとっても、プレイヤー自身にとっても嬉しいことだ。(サムとプレイヤーの境界線が曖昧になっていく)
そして他者の建造物には「いいね👍」を送れるようになっている。(いいねを貰ったプレイヤーは経験値が上がり、レベルが上がりやすくなる。)
このいいね👍システムが秀逸。
ただいいねを送れるだけのシステムなのだが、孤独な配送途中に素晴らしくありがたい建造物があると、ついつい「いいね👍」を送ってしまう。(そういった便利な建造物は何万いいねもついてバズっている)
逆に自分が作った建造物を他プレイヤーが利用して「いいね」を送ってくれる事があるが、これがめっちゃ嬉しい、自分の作った建造物がバズるとついついニンマリしてしまう。
他プレイヤーを直接見る事は出来ないが、カイラル通信を繋げて自分が通ってきた道を見渡してみると、他プレイヤーが建てた看板や建造物が沢山あって『あ、他の人もここで苦戦したんだ』とか『ここに橋欲しかったよな』などと他者との繋がりを感じさせてくれる。
『DEATH STRANDING』のテーマのひとつである“繋がり“をプレイヤー自身が直に感じる事ができる。こういうゲームってなかなかない。
・ストーリーが面白すぎ
ストーリーに関しては「流石、小島監督!」としか言いようがない。(がっつり小島補正)
ストーリー終盤は展開が気になって一気にプレイしちゃった。是非買ってやってみてくれ。
ちなみにデスストのキャラクターは実在する俳優をモデルに作っているので、やたらと人臭い、各キャラクターの魅力もハンパない。(海外ドラマとか好きな人はあー、あの人か!ってなる。主人公サムはウォーキングデッドのボウガンの人です)
・気になった点,不満な点
デスストは全体として大満足だったが、いくつか気になった点はある。
・面白いとは言え人を選ぶ
これは全てのコンテンツに言える事だが、面白いと感じるかどうかは人それぞれ。今作は全世界待望の小島秀夫最新作ということで色々な人が購入し遊び、賛否両論となっている。
ド派手なアクションや、対人ゲームのような爽快感を求めている人にとっては物足りないかもしれない。
一方で、主人公に感情移入して主人公になり切るタイプの人、コツコツ自分でやり方を考えて達成感を得るのが好きな人にはオススメです。
・最序盤が一番つまらない
これ結構致命的。小島補正で期待マシマシ状態でゲームスタート、素晴らしい導入ムービーでさらに期待age。いざそこから始まるのは辛く孤独な徒歩での配達作業。
僕は「え、、、ずっとこの作業?」ってなりました。中でも【『札幌→東京→大阪』と徒歩で配達した後、大阪から札幌に戻れ】みたいなミッションがあるのだが、ここでウンザリして辞めちゃう人が多いんじゃないだろうか。(そこ超えたら面白いんだけど)
最序盤は配達に役立つツールや、プレイヤーの知識、他プレイヤーとの繋がりも一切ないので、先に書いた「面白さ」を感じにくいのが原因だと思う。
だから最序盤で自分に合わないと思って辞めちゃった人はもう少しだけ頑張って見てほしい。デスストの魅力は序盤を乗り越えたあたりから出てくる。
・配信,動画映えしない。
このゲーム、他人がやってるのを見てもただただ荷物運んで歩いてるだけで全然面白そうに見えない。
何故ならそのサムはあなたじゃなくて、他人のサムだから。繋がりの面白さも、没入感も皆無だ。そりゃただ歩いてるだけのゲームに見えてしまう。
実際にプレイすると分かるが背負っているのは荷物だけじゃなく、サムと自分を取り囲むさまざまな状況も存在している。
ここまでやらないと面白さが分からないゲームも珍しいと思う。ちょっとでも気になってるなら買ってやってくれ。
・UIと文字が小さい
マジで小さいです。メガネしてても画面に近づかないと見えん。初めてps4のズーム機能ってのを使ったゲーム。
配達依頼を受ける際にいろいろな情報が画面にバッと映るんですが、それがまあ小さい。豆かと。
しかしなんと12月のアップデートでUI・文字の拡大機能が追加されるみたいです。小島監督最強!!小島監督最強!!
・流石だね小島監督
そもそも「荷物を運ぶゲーム」なんて小島補正がなかったら絶対に買ってないと思う。小島監督への熱い信頼があるからこその即ポチだった。
小島監督は以前からの作品でも、ゲームを通して“テーマ“をプレイヤー自身に体験させるのが上手い。
例えば、メタルギアpwやメタルギアvでは、マザーベースという基地を作れる機能があって、他プレイヤーに襲われづらくする為には核を保有する必要があった。(核を保有するか否かプレイヤーの判断に委ねられる)
そういったプレイヤー自身の判断によって、ゲーム内ではあるが核の抑止力の力、そして核全廃棄の難しさをプレイヤー自身が学んだ。あの演出はすげーなと思ったよ当時中高生ながらに。
今作『DEATH STRANDING』もそういったプレイヤーが直に体験できる要素が満載だ。何度も言うがサムは自分だ。
・やるなら今買え
他プレイヤーとの繋がりが面白いゲームだから、デスストブームでプレイ人口の多い今が一番面白いと思う。
悩んでる奴は今すぐ買え!